無料ブログはココログ

« 鏡開きに思う⑤~昇るということ~ | トップページ | 室欄・白滝記その43~戸田先生の提案~ »

2014年2月 2日 (日)

室欄・白滝記その42~Aさんと青雲荘~

退学はしたが、まだ戸田先生の下で稽古をしたかったので、1年間室蘭に残ることにした。

その際にどこに住むべきか。

まず私が相談したのはAさんというOBだった。

Aさんは合気道部のOBではない。私よりも10歳以上年上の卒業生だ。

私は合気道部のほかに「リングス M.I.T」という総合格闘技サークルに所属していた。

1年生の頃、私はリングスの院生の先輩と同室で、「合気道部に入りたい」と言うと

「だったらうちに来いよ。合気道なんてどうせ関節決めて投げ飛ばすんだろ。だったら一緒じゃねえか」

と先輩は言った。実際は全然違うのだが、何も知らないのでそうかなと思う。

「それにうちに来たら、俺が受け持ってる授業の単位やるよ」

これが入部の動機である。

で、このAさんは工大の近くに住む格闘技マニアで、リングスで練習したいといってやってきたのだった。

強烈なキャラクターでした。

親の遺産と新聞配達で生計を立てていて、狭い部屋の中、大量のアダルトビデオに埋もれて暮らしていた。

力がすごく強くて、寝技を一緒にやると手こずった。

それよりも寝技のときは臭いがすごかった。

体臭についてどうこういうべきではないと付き合っていたが、それが長年風呂に入らなかったために染み付いた臭いだと知って愕然とした。

リングスの練習に来て、体育館のシャワーを使用するまで何年も体を洗っていなかったのである。

某大物漫画家のアシスタントをしていたこともある異色の経歴の持ち主であった。

 

そのAさんの住んでいたのが青雲荘という下宿である。

ここの家賃が安かったので移ることにした。

もっとも家賃の安さじゃ寮にはかなわない。寮は部屋代、水道、光熱費込みで1万円だった。

青雲荘の私の借りた部屋は17千円。ここも水道、光熱費込みだった。

しかし、私の部屋は日当たりが悪かった。

部屋は常にじめじめしており、寒かった。

敷きっぱなしだった布団は床の結露で湿ってくる。

最終的にこの布団は腐りました。

台所は共同で、マレーシアからの留学生(私と同じ学科で、この人も途中から学校に行かなくなった)が料理するので、常になんともいえないスパイスの臭いが充満していた。

そういう私も鍋で米を炊いていて、噴きこぼれを掃除しなかったりしたから、迷惑な住人だったろう。

良かったのは大家さんが優しいおばあちゃんで、遊びに行くといつも自家製ヨーグルトをご馳走してくれた。

バイトはフェリーターミナルの仕事とガスの検針。

この青雲荘、今はもうない。大家さんも亡くなってしまったかもしれない。

« 鏡開きに思う⑤~昇るということ~ | トップページ | 室欄・白滝記その43~戸田先生の提案~ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 室欄・白滝記その42~Aさんと青雲荘~:

« 鏡開きに思う⑤~昇るということ~ | トップページ | 室欄・白滝記その43~戸田先生の提案~ »